「真の目覚めに向けて、怠ることなく、精進しなさい。」

そうブッダはみんなを励まされ、最も深い瞑想に入り、自らの肉体を離れ、真に静寂の境地へと入られました。ときにゴータマ・ブッダ八十歳、二月十五日夜半の入滅であったと伝えられています。



永遠真実の真理を「智慧」といい、円満なる思い遣りの心を「慈悲」といい、この二つがブッダの教えの根源であり、仏教そのものです。私たち人間存在の有する知性と情緒は、あまりにも限定的であまりにも変動的なものでしかありません。しかし、ブッダの大いなる智慧と慈悲は、全ての存在に対して平等に差別なく、永遠に限り無く量り知れないものなのです。

ブッダの智慧と慈悲を目標とし、自らの知性と情緒を研き育み、
他律的にならず観念的にならず、常に主体的かつ実践的に生き、
限り無く成長を続けていこうとするのが、仏教の実践であり、仏教という生き方です。

努力と忍耐を惜しまず、人生の苦難をひとつづつ乗り越えていけたならば、
人間は自然に少しづつ成長していくものであると、仏教は伝えています。

仏教とは、「頑張れよ。大丈夫だぞ。挫けるなよ。」という呼び掛けに気付き、
願われて生かされていることに感謝して、自分自身の人生を、強く生き抜く生き方なのです。

自分の思うがままにつながっていくことはありませんが、もう既につながりの内に在ることに気付き、
それをあるがままに受け入れられたならば、自分が計らうまでもなく、自然につながっていきます。


もう今は無いことを、思い悩み込まず、
まだ今は無いことを、思い悩み込まず、
まさに今から始められることに、
まさに今から立ち向かう。

何ごとも、自分次第です。 ヒントは、仏教にあります。
いまここにも、ブッダは願いの呼び掛けを、私たちに投げ掛け続けてくれているのです。




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