十 七 条 心 得 (十七条憲法 原文 等)

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【 第十七条 】
 話し合いましょう

そもそも大事なことを独断で決めてしまってはいけません。かならず多くの人々とともに論議するべきです。

それほどに重要ではない小さなことは、かならずしも多くの人々で相談する必要はないでしょう。ただ重大なことがらを議論するにあたっては、あるいは過失があるのではないかと疑ってみる必要があります。

それゆえに多くの人々とともに論じて是非を検証していけば、それは道理にかなうようになるはずです。

 

それぞれの役割に任せることも組織的な協働の上では大切です。お互いに信用し合うことも大切です。

けれども多くの人々によって共有される重要な事柄であるなら、それぞれの異なる立場や考えから、みんなにとって頷きのある結論を導きだせるよう、根気強く意見を交わし合うことが賢明なのでしょう。

 

 

【 十七条憲法・第十七条 】

[原文]
十七曰、夫事不可獨斷。必與衆宜論。少事是輕。不可必衆。唯逮論大事、若疑有失。故與衆相辮、辭則得理。

[書き下し文]
十七に曰く、それ事はひとり断(さだ)むべからず。かならず衆とともに論(あげつら)うべし。少事はこれ軽(かろ)し。かならずしも衆とすべからず。ただ大事を論うに逮(およ)びては、もしは失(あやまち)あらんことを疑う。ゆえに衆と相弁(あいわきま)うるときは、辞(こと)すなわち理を得ん。

[現代語訳]
重大なことがらはひとりで決定してはならない。かならず多くの人びととともに論議すべきである。小さなことがらは大したことはないから、かならずしも多くの人びとに相談する要はない。ただ重大なことがらを論議するにあたっては、あるいはもしか過失がありはしないかという疑いがある。だから多くの人びととともに論じ是非を弁えてゆくならば、そのことがらが道理にかなうようになるのである。

[英語訳]
17. Decisions on important matters should not be made in general by one person alone. They should be discussed among many people. But for small matters of less importance, it is unnecessary to consult many persons. In the case of discussing weighty matters you must be fearful lest there be faults. You should arrange matters in consultation with many persons so as to arrive at the right conclusion.

出典:中村元 著『 聖徳太子 地球志向的視点から 』(東京書籍)THE SEVENTEEN-ARTICLE CONSTITUTION by Prince Shoutoku Translated into English by Hajime Nakamura

 

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