【 第一条 】
おたがいの心が和らいで協力しあうことが貴いのであって、むやみに対立したり争ったりしないようにしましょう。それを根本的な理念としなければいけません。
ところが人にはそれぞれ自己中心的な執着心があるので、自分の立場に固執して物事を見たり、自分の都合で敵味方の区別を分けたりして、大局を見通している人は多くありません。それだから、身近な人間関係から、問題が起こりがちなのです。
しかしながら、自分から率先して人々と和らぎ睦まじく話し合いができるならば、ことがらは自然と道理にかなって、何ごとも成し遂げられないことはないはずです。
【 十七条憲法・第一条 】
一曰、以和爲貴、無忤爲宗。人皆有黨。亦少達者。以是、或不順君父。乍違于隣里。然上和下睦、諧於論事、則事理自通。何事不成。
人と人との関係が和らいでいて、人間と自然が調和していて、和やかな雰囲気のもとに、世界が平和であることを、永遠の理想とされた聖徳太子を貴いと仰ぐ、そんなお寺であり続けていてほしいと願います。