しかしながら、私たちが生きるこの世界を 此岸(しがん・此方の岸)というときには、同時にかならず 彼岸(ひがん・彼方の岸)の世界があることも仏教には説かれます。
彼岸とは 浄土(じょうど・苦しみの一切無い清らかな場所)とも、 極楽(ごくらく・苦楽を越えた極めて楽なる境地)ともいわれる世界です。
五濁悪世の説かれる『仏説阿弥陀経』には、娑婆世間の有様とともに、極楽浄土の光景を 青色青光 黄色黄光 赤色赤光 白色白光 と映し出します。
青い色には 青い光が
黄い色には 黄い光が
赤い色には 赤い光が
白い色には 白い光が
色とりどりにそれぞれの色を互いに輝かせあい、咲き誇っているというのです。素晴らしい生命の光り輝く世界がたしかにあると、明かされているのです。
私たちの五濁悪世の世界にも
蓮の華は咲きます
蓮の華は
濁りきった泥沼のなかにも咲いて
けしてその泥に汚されることなく
むしろ泥沼のなかに咲くからこそ
その美しさを際立たせます
南 無 阿 弥 陀 仏