平成25年度 慶集寺 報恩講(ほうおんこう)
日時:11月8日(金曜) 午後1時半より 1座
会場:慶集寺 本堂(富山市 岩瀬大町170)
年中行事「報恩講(ほうおんこう)」を定例の11月8日(金曜)に執り行います。
これまで長きに渡り続けてきた「いとこ煮と精進料理のお斉(おとき・会食)」は、
来年正月の「御正忌 報恩講(ごしょうき ほうおんこう)」にその機会を移すこととし、
今年からは午後1時半からの1座のみのお勤め とさせていただきます。
今年のご法話は、浄土真宗本願寺派 滋賀教区 長泉寺 釈 宣寿(せきのぶひさ)師 をお招きして「節談説教(ふしだんせっきょう)」の様式でのご法話を聴聞いたしました。
節談説教とは、「ことばに節(抑揚)をつけ、洗練された美声とジェスチャーをもって演技的表現をとりながら、聴衆の感覚に訴える詩的・劇的な情念の説教」をいい、浪曲や講談、浪花節や落語といった芸能の原型となるものです。
江戸時代から昭和初期までは全国のお寺で広く行われたという「節談説教」ですが、私たちの世代では、黒板で解説したりプリントを配布したり、最近ではスライドやプロジェクターまで使うような「講演・講義型」が一般的になっており、「演劇・芸能型」ともいえるその古典的な様式は、いまの時代には一巡して新鮮にさえ映るものでした。
南無阿弥陀仏のお念仏は、頭で理解するものではなく、心に感じる心なのだということを改めて感じさせられた体験であり、知に寄り過ぎがちな自身の法話の傾向を省みさせられる機会にもなりました。
私が子どもだった昭和の頃にはまだ確かにあったはずの「説教者と参詣者が一心となって立ち現す念仏の共振共鳴空間」を、現代の慶集寺本堂にも再び興せないものかと思い、門信徒の皆様方にもより一層の法座への参加を呼びかける必要性を感じつつ、来年にも再度、釈師にお越しいただくこととなりました。
尊いご法縁のおかげさまにある、有り難い出会いをいただいていると、
深く感じる今年の報恩講でした。 合掌 南無阿弥陀仏