4月中ばから5月末にかけての新型コロナウイルスによる緊急事態宣言の自粛期間中には、「 早く以前の日常に戻って欲しい 」と、みんなが願ったことと思います。しかしながら、緊急事態宣言が解除されて新しい生活様式のもとで社会活動が再開されると、「 さまざまなものごとが時代とともに進んでいく 」ことを、感じずにはいられません。
時間は戻ることがなく、常に進み続けている。
仏教でいわれるところの「 諸行無常 」を、ありのままに見つめるしかありません。
けれどもまた諸行無常を補完する原理が「 諸法無我(しょほうむが)」であると、仏教には説かれます。すべてのものごとは、変化していくと同時に、関わり合いのなかにあって、固定的なものでも、絶対的なものでもないということです。
変化のなかにあって、よりよく関わっていくこと。
関係のなかにあって、よりよく変わっていくこと。
物事を、良いことだ、悪いことだと断定するのではなく、事態を悪化させないように、好転させていけるように、状況を前向きに捉えて、いまを生きることが大切です。コロナ禍をただの災いとして嘆くばかりではなく、再生の機会とすることもできるはずです。
すべては、いま次第なのです。
すべては、始まったばかりなのです。
例年7月に執り行われていた年中行事の『 初夏法座(永代祠堂経法要)』ですが、今年は世間の潮流にならい、中止とする判断をさせていただきました。
次に予定されている11月3日の『 報恩講(ほうおんこう・宗祖親鸞聖人のご恩に報いてお勤めする浄土真宗の要となる行事)』には、社会状況がどうであっても、お参りが少人数であっても、たとえ寺族だけであっても、慶集寺の境内地の新御堂で、みなさまのお参りをお待ちしたいと思っております。