序章 : ネットワーク「 現 象 」に触れて 




インドに伝わるお話です。

目の見えない子供たちの学校の遠足がありました。
先生と子供たちが森の中を歩いているところへ、象使いにつれられた象が一頭。
先生は象使いに頼んで、象についての体験学習をはじめます。

「 ここに象という動物がいます みなさん自由に触ってみてください 」

先生に言われて、おそるおそる子供たちは 大きな象に触ってみます。
子供たちにとっては、生まれて初めての体験です。

ある子供は象の耳に触れて 「 先生 象とは大きなうちわのような動物です 」
またある子供は象の足に触れて 「 先生 象とは太い柱のような動物です 」
そしてまたある子供は象の尻尾に触れて 「 先生 象とは縄のような動物です 」

ほかにも腹に触れた子供は 「 大きな壷のようだ 」と言うし、
鼻に触れた子供は「 いやいや 太い筒みたいだ 」と 意見はさまざまです。
目の見えない子供たちの言葉を聞いて、先生は言います。

「 みんなの意見はそれぞれでしたが、みんな正解で、みんな間違っています。
きみたちの答えたことは、象という動物の、ある一部分を言っているにすぎません。
象という動物を知るには、その全体を見なければ、わからないのです。」


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