四門出遊のエピソードに描かれる東西南北の四つの門での出会いは、
人生において避けることのできない「 生老病死 」の四つの苦しみを、
説き示すものだと教えられます。


【 生まれる 】

人それぞれにはそれぞれの「生い立ち」があり、それはどれ一つとして同じではありません。
自分の生まれ育ちがとても受け入れがたく嫌なものであったとしても、
誰かと交換することも、消去することも、リセットすることも出来ません。


【 老いる 】

この世に生まれた瞬間から、刻一刻と時間は経過し、人は年齢を重ねていきます。
若いままでいたいと思っても、若い頃に戻りたいと思っても、
それは、止めることも、逆戻りすることも、決して出来ないのです。


【 病になる 】

誰もが健康なままでいたいはずですが、病気や事故に遇わないでいられる保証はありません。年齢を重ねれば自然と病気は増えていくし、
体の病だけではなく、精神的な病が人の心を蝕むということもあります。
体の病が心の病を引き起こし、心の病が体の病を引き起すことも、よくあることです。


【 死ぬ 】

人として生まれた限りは、人として死ななければいけません。
いくら死にたくないと思っても、やがては必ず、死ぬのです。

それと同時に「もう死んでしまいたい」と思うことがあったとしても、
そう思うように死ねるわけではありません。

自分の「生い立ち」が選べないように、自分の「死に方」もまた、
自分で選べるものではありません。



生老病死の現実は、誰もが受け入れなければいけないことのはずです。

人として生まれた限りは、いずれは人として、死ななければいけません。

それでも、老いと病いをその身に受け入れながら、生きていかなければいけないのです。



>>> 次項

>>> 目次