【 四 門 出 遊 】


ある日のこと、シッダルタは城壁の外の世界を見てみたいと思い、
従者を伴って東の門から、城の外へと出ていきました。

東の門を出て間もなく、顔は皺くちゃで白髪の老人が、
よろよろと杖にすがって歩いているのを見かけます。

シッダルタは不快な気分になって、すぐに城へと引き返しました。


またある日のこと、今度は南の門から城外へと出かけてみたところ、
門を出てしばらくして、疫病にかかって倒れている、酷い姿をした病人を目にしました。

シッダルタは不安な思いにかられて、すぐに城へと引き返していきました。


そしてまたある日、今度は西の門から出かけたところ、
亡くなった人の遺体を火葬している所に出くわしました。

ショックを受けたシッダルタは、がっくりと肩を落とし、
思い沈んだ様子で、城へと戻っていきました。


城内でのシッダルタの生活では、まわりにいる家族や友人や召使いなどはみんな、
若く、健康で、元気な人たちばかりだったので、
老人や、病人や、死人を見ることなど、それまでにはまったくなかったのです。


そしてしばらくしたまたある日、意を決して残るひとつの北門から外へ出てみたところ、
シッダルタの前に現れたのが、「シャモン」すなわち「出家修行者」でした。

シッダルタが見た出家者の姿は、質素でありながらも威厳に満ち、
無言にして強い意思を示し、バラモンとは異なる精神性を、力強く体現していました。

シャモンの姿にひとすじの希望の光を見て、
これこそが自分の進むべき道だと心に決めた、シッダルタでした。



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